岩手県議会30年9月定例会で一般質問に登壇しました


30年9月25日神﨑が一般質問に立ちました。
内容は以下の通りです。


1.北海道胆振東部地震への県の対応と防災対策

次期総合計画の策定について

3.知事の県政運営について

東京2020オリンピック・パラリンピック 及び ラグビーワールドカップ2019TMの開催による 本県の経済効果について 

ILC建設実現に向けての本県の対応について

医療・福祉・介護分野における課題について

農業分野における課題について

 

〇20番(神崎浩之君) 自由民主クラブの神崎浩之でございます。
先輩、同僚議員の御配慮をいただき、一般質問の機会をいただき感謝申し上げ、知事初め県政を担う幹部職員の皆様に、県政の諸課題をただしてまいります。多くの傍聴者も見えておりますので、明快な答弁を望むものであります。
初めに、このたびの北海道胆振東部地震や西日本豪雨を初めとする自然災害により犠牲になられた方、被害に遭われた皆様に、心からお見舞いを申し上げます。また、昼夜たがわず復旧活動に尽力された皆様、ボランティアの皆様にも心から感謝を申し上げます。
この冒頭でのお見舞いの言葉から関連して最初の質問に入るのでありますが、初めに、北海道胆振東部地震への対応と今後の防災対策についてお伺いいたします。
今、全国では、至るところで地震、津波、大雨などによる自然災害が頻繁に発生しております。本県においても、10年前の岩手・宮城内陸地震、東日本大震災津波、一昨年の台風第10号災害と、立て続けに大きな自然災害が発生いたしました。
今月6日、午前3時8分、北海道胆振地方中東部を震源とする最大震度7の地震が発生し、死者41名など多くの人的被害や住家などの物的被害があり、今なお多くの方々が避難所での生活を余儀なくされております。
県では、地震発生約1時間後の午前4時には岩手県応援本部を設置し、さまざまな支援を迅速に調整、実施したところであります。その行動を高く評価し、敬意をあらわすものであります。
これまでの主な支援として、緊急消防援助隊、リエゾン、DPAT(災害派遣精神医療)チームなどを派遣したほか、北海道安平町からの要請により、現在も避難所運営支援要員や罹災証明書発行事務支援要員として、多くの県、市町村職員が派遣されております。
私が特に感銘を受けたのが、緊急消防援助隊の迅速な派遣であります。地震発生後すぐに、県内の5消防本部の17隊62名が宮古港に集結し、当日、朝8時のフェリーにて室蘭港に向けて出発したとのことでありました。この大変迅速な対応について、どのような経緯で調整され5消防本部を派遣することとなり、また宮古-室蘭フェリーを利用することとなったのか、知事にお伺いいたします。
本県初のフェリー航路である宮古-室蘭フェリーはことしの6月22日に開設され、今回の地震により、災害派遣部隊や支援物資の輸送に利用されたほか、新幹線や飛行機等の運休により移動できなかった一般客にも利用されました。改めて、その有用性を認識したところであります。これまでの災害関係での利用状況と、今後の利用促進に向けた取り組みについてお伺いいたします。
次に、今回の北海道胆振東部地震に伴う本県の今後の防災対策に関してですが、本県は東日本大震災津波を経験し、多くの教訓を得、その後の災害対応に生かしてきたと思います。今回は、他の都道府県を応援する立場でありましたが、その教訓を生かすことができたのか、お伺いします。
また、現在、避難所運営や罹災証明書発行事務等に多くの県、市町村職員が派遣されておりますが、今後どのように支援を行うことになりそうか、お伺いいたします。
北海道胆振東部地震では、大規模停電や液状化現象などが発生しました。今回の地震における課題は何であると認識し、その課題について、本県としてどのように防災対策を講じなければならないと考えているか、お伺いいたします。
次に、次期総合計画の策定についてお伺いいたします。
県では、今月、東日本大震災津波の経験に基づき、引き続き復興に取り組みながら、お互いに幸福を守り育てる希望郷いわてを基本目標とする次期総合計画長期ビジョンの中間案を公表いたしました。次期総合計画は、10年間の長期ビジョンと4年ごとに策定するアクションプランで構成されるとのことでありますが、これまでの議会の議論の中では、時代の変化が早い中、10年間の長期ビジョンを描くのは難しいのではないか、また、震災復興が途上の中、復興計画は次期総合計画に盛り込むのではなく、別に策定すべきではないかとの意見もありました。こうした意見に対して知事はどのように考えたのか、お伺いいたします。
次に、現在の総合計画は、いっしょに育む希望郷いわてを掲げ、平成21年度から10年間の計画で、今年度が最終年度に当たります。現計画の特徴、また、現計画の達成度はどうなっているのでしょうか、あわせてお伺いいたします。
次期総合計画は、岩手の幸福に関する指標研究会で検討された12の主観的幸福に関する領域を踏まえ、健康・余暇、家族・子育てなど10の政策分野を設定し、幸福を守り育てるための取り組みを推進していくとのことであります。幸福度の計画への組み入れ方をどのようにしようとしているのか、お伺いいたします。
また、現在の総合計画は、産業・雇用、農林水産業、医療・福祉など、七つの政策分野に区分されわかりやすいと思いますが、次期総合計画では、幸福の視点から健康・余暇、家族・子育てなど10の政策分野に区分されたことで、例えば農林水産業がどこの分野に入るのか非常にわかりにくいのと、現計画との関連性、継続性が図られるのか心配しております。今後設定されるアクションプランでわかりやすくなるのかもしれませんが、まだ工程表や指標などが公表されておりません。私は、計画をわかりやすくするためにも、早期に工程表や指標を示し、実態に合うよう早期に意見交換すべきと考えますが、当局のお考えをお伺いいたします。
次に、知事の県政運営についてお伺いいたします。
県では、人口減少対策について平成27年に岩手県人口ビジョンを策定し、人口減少に立ち向かうための基本目標、今後5年間の取り組み方向、具体的な施策、数値目標等を示した岩手県ふるさと振興総合戦略を策定し、取り組みを推進しています。私は、日本の一番の課題は人口減であると思っております。全ての問題の根源には人口減が渦巻いております。
そこで知事にお伺いいたします。県では、具体的にどのような人口減少対策を行ってきたのでしょうか。また、対策を行った結果、人口の動向はどうあったのでしょうか。課題も含めお伺いいたします。
ことしに入り、6月に宮古-室蘭フェリーの開設、8月に花巻-台湾定期便の就航、今後は三陸沿岸道路、東北横断自動車道釜石秋田線の全線開通が予定され、国内外の人的交流が活発化し、県民生活や産業振興においてもプラス効果があると考えます。そうした中、次期総合計画長期ビジョンの中間案に、新しい時代を切り拓くプロジェクトとして11のプロジェクトを掲げましたが、私は、これらのプロジェクトを推進することで人口減少という課題を解決しようとする意図もあるのではないかと思います。プロジェクトの実施効果についてどのように考えているのか、知事にお伺いいたします。
震災後、急ピッチで三陸沿岸道路が整備されており、間もなく全線開通する運びとなっております。三陸沿岸道路が全線開通した場合、本県と仙台市や八戸市との時間距離が大幅に短縮し、買い物などをする場合、沿岸南部の住民は仙台方面へ、沿岸北部の住民は八戸方面へそれぞれ流れるのではないかと危惧されます。さらに、国道45号を走行する車両が減り、町なかが今以上に廃れるのではないかと懸念されます。県では、三陸沿岸道路開通後の沿岸部の地域経済について、どのようになると認識しているのか、課題と対応を含め知事にお伺いいたします。
次に、政府が進める生産性革命と人づくり革命についてお伺いいたします。
政府は、昨年12月、安倍政権の看板政策である生産性革命と人づくり革命を実現するための政策パッケージを決定し、2020年度までを集中投資期間と位置づけ、その実現に取り組むとしております。
生産性革命とは、人工知能、ロボット、IoTなど、生産性を劇的に押し上げるイノベーションを実現していくものであり、人手不足に悩む中小、小規模事業所も含め、企業による設備や人材への投資を力強く促進するものであります。
また、人づくり革命とは、子育て世代、子供たちに大胆に政策資源を投入することで、社会保障制度をお年寄りや若者も安心できる全世代型へと改革し、子育て、介護などの現役世代の不安を解消し、希望出生率1.8、介護離職ゼロの実現を目指すものであります。政府では、こうした革命を推進するために昨年度の補正予算に4、822億円を計上し、地方での取り組みを後押ししております。
県は、政府が推進する生産性革命や人づくり革命について、どのように捉え、県としてどのように取り組み予算を活用しようとするのか、知事にお伺いいたします。
次に、東京2020オリンピック、パラリンピック及びラグビーワールドカップ2019の開催による本県への経済効果についてお伺いいたします。
東京2020オリンピック、パラリンピックは、東北では、宮城県でサッカー、福島県で野球とソフトボールが開催されますが、残念ながら、本県では開催される競技はないとのことです。そうした中、カナダのビクトリア市と姉妹都市を提携している盛岡市がカナダのホストタウンとなり、カナダ代表の水球チームが事前キャンプ地として利用することが決定するなど、県内市町村と大会参加国との交流を通じ、地域活性化につなげようとする動きが出てきております。
競技が行われない本県ではこうした取り組みが重要と思いますが、ホストタウン及び事前キャンプの誘致状況について、また、誘致に当たり、相手国からの要望や市町村での課題、要望についてあわせてお伺いいたします。
また、東京オリンピック、パラリンピックは、本県の安全、安心な農林水産物を国内外にPRする絶好の機会であり、食材供給を通じ、さらなる販路拡大も期待されます。県では、東京オリンピック、パラリンピックへの食材供給の要件とされるGAPの認証取得を農業者等に働きかけ、その結果、徐々に取得がふえてまいりました。
GAPの認証取得を受けた事業者の食材が実際に東京オリンピック、パラリンピックに使われるかは、まだ決まっておりません。食材納入の仕組みと今後のスケジュールはどうなっているのか、また、食材供給にどのように取り組んでいくのか、お伺いいたします。
ラグビーワールドカップ2019の開催まであと1年となりました。先ごろ釜石鵜住居復興スタジアムが完成し、8月には約6、500人が来場し、オープニングイベントが開催されました。一歩一歩準備が進んでいると感じております。
一方で、釜石市長は、オープニングイベントの実施後、1万6、000人もの観客の誘導や運営方法などの課題が見えたほか、世界各地から訪れるお客様へのおもてなし、機運醸成など、まだまだ解決すべき課題は山積していると述べております。また、国体と違い、多くの外国人が本県を訪問することになり、県は、ラグビーワールドカップ2019組織委員会や釜石市と連携し、大会の成功に向け鋭意取り組んでいるとは思いますが、観客の交通輸送や宿泊などの受け入れ態勢整備の進捗状況についてお伺いいたします。
国内外からの多くの方々の来県が見込まれておりますが、釜石市での観戦のみで終わらせるのではなく、来県した方々に県内を観光していただき、おいしいものを食べてもらい、お土産を買ってもらう、そういった仕掛けも大変大事であります。県では、ラグビーワールドカップ開催に向け、観光物産面でどのように取り組んでいこうとしているのか、お伺いいたします。
次に、ILC建設実現に向けての本県の対応についてお伺いいたします。
ILCの国内誘致の是非を審議している日本学術会議のILC計画の見直し案に関する検討委員会は、8月から開催され、直近では9月18日に5回目が開かれました。日本学術会議では、平成25年にもILCの是非を審議し、その際は厳しい財政環境であり時期尚早との見解が示されておりましたが、全長が31キロメートルから20キロメートルに見直しをされたことで再審議となったものであります。審議結果を踏まえ、国は、年内にも建設の是非を最終決定すると言われております。
こうした中、9月18日、ILCの国内誘致を目指す超党派のリニアコライダー国際研究所建設推進議員連盟と自民党の関係組織は誘致実現連絡協議会を設立いたしました。ILCの建設実現に向け、今がまさに正念場であります。知事は、こうした動きをどう思い、県民の幸福のためILCの建設実現に向け取り組んでいこうとするのか、決意をお伺いいたします。
また、県では、東北ILC推進協議会や北海道・東北地方知事会等と連携し要望活動を行ってきたと思いますが、これまでの要望実績と要望時における感触についてお伺いいたします。
あわせて、建設の是非を最終決定するとも言われている年末に向け、非常に短い時間ですが、今後どういう取り組みを行おうとしているのか、スケジュールとあわせてお示し願います。
次に、医療、福祉、介護分野における課題についてお伺いいたします。
医師、看護師不足だと幾ら叫んでも、天から降ってくるわけではありません。現実的な対応も必要であります。生産性革命でも話題にしましたが、農業でも建設分野でも、人手不足への対応はICTであります。また、人手不足の対応だけでなく、的確で良質な医療を提供する、受けるためにも、ICTの活用は急務であります。患者情報、余分な検査や薬の重複を防ぐ、医療、介護の情報連携により、迅速で適切なサービスが受けられるといったメリットもあります。ICTで患者情報を共有する医療介護連携システムがなかなか進まないのはなぜなのでしょうか。
医療介護連携システムは沿岸地域で先行して進んでおりますが、盛岡を含め、県内の多くの地域では進んでおりません。これは、多くの患者さん、医療機関、多くの地域が参加しないとせっかくの機能が発揮できません。一関市の患者さんが、県立胆沢病院にも県立中部病院にも、県立中央病院にも岩手医科大学附属病院にも紹介され転院されます。ICTを使って紹介、転院がスムーズになれば、患者さんも医療機関、介護機関もメリットが生まれます。しかし、県内はなかなか進んでおりません。これは、広域を調整する役割の県が率先して動くべきことであります。医科、歯科、薬局、介護でのICTの活用を全県的に普及させるため、どのような対応をとろうとしているのか、お伺いいたします。
自死対策は、これまでの官民一体となった取り組みに、包括的な自殺対策プログラムの推進や東日本大震災津波の影響への対策等を加えた岩手県自殺対策アクションプランに基づいて進められており、この結果、自殺死亡率は目標値を超えるペースで減少を続けるなど、成果があらわれているようです。しかしながら、平成29年厚生労働省人口動態統計によると、自殺死亡率は全国で高い順から2位であり、依然として高位であります。
また、厚生労働省自殺対策推進室の資料によると、東日本大震災に関連する本県の自死者は、平成27年3人、平成28年6人、平成29年7人と増加をしております。包括的な自殺対策プログラムの推進は、県内各圏域での久慈モデルの実践、強化等が挙げられますが、官民一体となった取り組みや、東日本大震災津波の影響への対策として具体的にどのような取り組みがなされてきたのか、お伺いいたします。
次からの質問は降壇し、質問席にて継続して行います。
〔20番神崎浩之君質問席に移動〕
〔知事達増拓也君登壇〕
〇知事(達増拓也君) 神崎浩之議員の御質問にお答え申し上げます。
まず、緊急消防援助隊の派遣についてでありますが、9月6日の地震発生直後に、消防庁から本県に対し北海道への出動の求めがありましたことから、速やかに岩手県応援本部を立ち上げるとともに、災害時に迅速に対応するため、4消防本部によりあらかじめ編成している岩手県統合機動部隊の出動を決め、指揮隊である盛岡地区広域消防組合消防本部と調整を行いました。この統合機動部隊に宮古消防本部が加わり、被災地に早期かつ確実に到着できると判断し、宮古-室蘭フェリーを利用することとしたところであります。
9月6日早朝に出発した17隊62名に花巻消防本部の1隊3名が翌日加わり、計18隊65名の本県消防職員が、北海道厚真町において9月10日まで行方不明者の捜索活動等を実施いたしました。
次に、次期総合計画の期間等についてでありますが、次期総合計画は、県民みんなが力を結集し、行動していくための目指す将来像や取り組みの方向性を明らかしようとするものであり、環境変化が著しく先を見通しにくい時代だからこそ、岩手の長期的な将来像を県民の皆さんと共有し、その実現に向けてみんなで行動していくことが重要と考えております。そのため、策定に当たっては、岩手の将来像に向かって何をすべきかを、県民を初め、多様な主体と一緒にわかりやすい時間軸の中で考えていくことが必要であり、長期ビジョンの計画期間を10年間とすることが妥当であると考えております。
また、県政の最重要課題である東日本大震災津波からの復興については、沿岸市町村において、総合計画の中に復興の取り組みを位置づける動きがある中、県においても、これを次期総合計画に明確に位置づけて、市町村や国と一体となった切れ目のない取り組みを進めるとともに、復興の先を見据えた地域振興にも取り組みながら、長期的な視点に立って、三陸のよりよい復興を実現していく考えであります。
次に、人口減少対策についてでありますが、岩手県ふるさと振興総合戦略においては、ふるさとを消滅させないとの決意のもと、岩手で働く、岩手で育てる、岩手で暮らすの3本の柱に基づいて、人口減少を引き起こす、あらゆる生きにくさを生きやすさに転換し、岩手への新たな人の流れを生み出すための取り組みを推進しているところであります。
具体的な取り組みとしては、岩手で働くでは、第4次産業革命技術等を活用したものづくり革新の取り組みや、地域産業高度化支援センターの設置等による若者やU・Iターン希望者の県内就業の促進、産業界等と連携したいわて働き方改革推進運動の展開などに取り組んでいるところであります。
岩手で育てるでは、“いきいき岩手”結婚サポートセンター-i-サポの運営による結婚支援や、地域で妊産婦を支える体制の構築、子育てしながら働きやすい労働環境の整備などに取り組んでいるところであります。
岩手で暮らすでは、若者、女性の活躍支援やものづくり産業人材の育成など、ふるさとの未来を担う人づくりなどに取り組んでいるところであります。
これらの取り組みによって、自動車、半導体関連産業の集積による雇用の創出や企業内保育所の設置が進んでいますほか、県内高校生の県内就職率が上昇傾向となっているところであります。
一方で、東京圏の転入超過数が依然として約12万人となっており、地方の人口減少対策に加えて、国による東京一極集中の是正に向けた抜本的な対策が不可欠と考えており、国に対し地方重視の経済財政政策を実施するよう、引き続き強く求めてまいります。
次に、新しい時代を切り拓くプロジェクトについてでありますが、中間案に示した11のプロジェクトは、長期ビジョンに掲げる10年後の将来像の実現をより確かなものとし、さらにその先をも見据え、経済、社会のグローバル化や第4次産業革命の進展、人口減少、少子高齢化の進行などの時代の変化に的確に対応しようとするものであります。特に、県央地域を含む北上川バレープロジェクトを初め、三陸沿岸地域、県北地域の県内各エリアを対象としたプロジェクトでは、地域資源を生かした産業振興や移住、定住の促進、新たな交通ネットワークや観光資源を生かした交流人口の拡大に取り組むこととしています。
また、人交密度向上プロジェクトでは、U・Iターンの促進を図るとともに、東日本大震災津波による復興支援を契機とした国内外の多様な主体との交流拡大を生かし、県内各地域や人々と多様にかかわる関係人口の質的、量的な拡大などに取り組むこととしています。
これらプロジェクトは、人口減少を初め、さまざまな地域課題の解決を目指しているものであり、今後、各地域やさまざまな分野の方々の意見を伺いながら、さらに具体化してまいりたいと思います。
次に、三陸沿岸道路開通後の沿岸部の地域経済についてでありますが、三陸沿岸道路の整備により、時間距離が大幅に短縮しますことから、水産物等の販路拡大や物流の活性化などが期待されるところであり、既に宮古-室蘭間の定期フェリー航路や、釜石港の国際コンテナ定期航路の開設など、物流におけるダイナミックな展開や企業集積の促進につながっているところであります。
また、交流人口の面におきましては、北海道新幹線やフェリー航路、三陸鉄道を組み合わせた広域周遊や大型外航クルーズ船、台湾定期便を利用したインバウンドなど、国内外との新たな交流の拡大が期待されるところであります。
来年は、三陸鉄道の一貫経営やラグビーワールドカップ2019釜石開催など三陸地域が大きな注目を集めますことから、この機会を活用して三陸地域への新たな人の流れを創出し、地域経済の好循環につなげていきたいと考えています。
三陸沿岸道路開通後のまちのにぎわいを創出するため、市町村においては、久慈地域では広域道の駅の整備に向けた検討が進められているほか、気仙地域では復興祈念公園と一体となった道の駅の整備が進んでおり、道の駅を拠点として近隣圏域から人を呼び込み、町なかへの回遊につなげようとする取り組みも始まっています。
県におきましては、復興道路の整備などの環境変化を踏まえ、総合的な三陸振興の推進体制の一環として三陸DMOセンターを設置し、観光地域づくりによる交流人口の拡大に取り組むとともに、三陸防災復興プロジェクト2019を開催することとしており、今後とも、市町村や民間団体など地域の関係者と一体となって、復興の先を見据えた三陸地域の振興に取り組んでまいります。
次に、生産性革命、人づくり革命についてでありますが、昨年12月に閣議決定された新しい経済政策パッケージは、少子高齢化という最大の壁に立ち向かうため、生産性革命と人づくり革命を車の両輪として、年齢や性別、障がいの有無にかかわらず、誰もが生きがいを感じ、その能力を発揮することができる社会を構築していくための2020年度に向けた取り組みを取りまとめたものであり、本県のふるさと振興総合戦略や次期総合計画の方向性とも軌を一にするものと考えております。
国では、平成29年度補正予算において、生産性革命を推進するための予算が措置され、本県としてもこれを活用し、児童養護施設などのICT化の支援やスマート農業の普及教育拠点の整備などに取り組んでいるところであります。
また、人づくり革命は、長期的な課題として、まず、これまでの制度や慣行にとらわれない新しい仕組みづくりに向けた基礎を築くとともに、2019年の消費税率の引き上げによる増収分を財源として、幼児教育、高等教育の無償化などに取り組むこととされており、県としては、こうした国の動向を注視しながら、次期総合計画の施策の具体化を図っていきたいと考えます。
次に、ILCについてでありますが、ILC計画が世界の協力のもとに実現されるためには、ヨーロッパにおける2020年からの素粒子物理の5カ年計画にILCが盛り込まれることが必須となっており、年内に日本政府がILCに前向きな方向性を打ち出す必要があると認識しております。
現在、日本学術会議においてILCの学術的意義などについて審議が行われていますが、建設候補地である本県といたしましては、関係機関と連携しながら、議論の進展が図られるよう必要な対応を進めているところであります。
また、先般設立された自由民主党ILC誘致実現連絡協議会では、政策横断の国家プロジェクトとしてILCを位置づけること、通常の科学技術予算の枠外で措置することなどの決議がなされたところであり、ILC実現に近づく大変力強い動きと感じています。
ILCは、本県の将来像の実現をより確かなものにする重要な取り組みでありますことから、次期総合計画の長期ビジョンの中間案に掲げる新しい時代を切り拓くプロジェクトに位置づけています。
このようなことを踏まえ、県としては、日本学術会議の審議状況を見ながら、関係機関や北海道、東北各県とも連携し国への要望活動を強化するなど、ILCの実現に向け、関係者一丸となって全力で取り組んでまいります。
その他のお尋ねにつきましては企画理事及び関係部長から答弁させますので、御了承をお願いします。
〔企画理事大平尚君登壇〕
〇企画理事(大平尚君) ILC建設実現に向けた取り組みについてでありますが、今年度、関係団体を含めた国等への要望は14回行われており、6月の岩手県政府予算要望、提言の同日には、知事参加のもと、東北ILC推進協議会と北海道東北地方知事会が政府・与党に対し、政府がILC日本誘致に向けた前向きな方向性を早期に示すよう要望いたしました。また、8月には、知事、鈴木俊一超党派ILC国会議員連盟副会長、谷村邦久県ILC推進協議会会長、鈴木厚人県立大学長の4者で与党への要望を重ねて行ったところです。
要望時には、政府関係者からは、有識者会議において慎重に検討しており、推移を見守るとのコメントがあった一方で、与党関係者や超党派国会議員連盟からは、ともに協力して政府への働きかけを進めていきたいなどとの発言をいただきました。
今後、日本学術会議の審議状況も見ながら、年末に向けて、メディアへの働きかけなどによる国民的な理解増進活動を強化するとともに、関係団体と連携を密にし、継続して要望活動を行ってまいります。
〔県土整備部長八重樫弘明君登壇〕
〇県土整備部長(八重樫弘明君) 宮古-室蘭フェリーの利用状況についてでありますが、運航会社からの聞き取りによりますと、災害支援関係では、9月6日の地震発生後、9月17日までの間に、国や自治体、消防、警察、自衛隊、電力会社など、宮古港からは車両約130台、人員約290人、室蘭港からは車両約190台、人員約400人の利用がありました。また、9月6日及び7日の室蘭発の便において、事前予約を大幅に上回る一般旅客の利用があったと聞いており、宮古-室蘭フェリー航路が、物資輸送、旅客輸送など、今回の災害で大きな力を発揮したものと考えています。
県としては、今回の災害での利用状況を広く周知するとともに、三陸沿岸道路の開通による宮古港へのアクセス性の向上などについて、さまざまな広報媒体やポートセールスなどによりPRし、宮古-室蘭フェリーの利用が促進されるよう取り組んでいきます。
〔企画理事兼総務部長佐藤博君登壇〕
〇企画理事兼総務部長(佐藤博君) まず、東日本大震災津波の教訓の活用についてでありますが、本県では、東日本大震災津波の経験を踏まえて、今後発生が懸念される南海トラフ巨大地震などの大規模災害発生時に、本県以外の被災地への支援を的確に実施するため、職員派遣や義援物資を送付するスキームを定めた岩手県災害時受援応援計画を平成26年3月に策定しております。
今回の北海道胆振東部地震においては、この計画に基づいて、発災当日、直ちに応援本部を設置し、また、リエゾン3名を北海道・東北8道県広域応援本部に派遣し、調整を行った後、翌日には被災地の北海道安平町に入ったところです。
リエゾンは、安平町において被害状況と支援ニーズの把握に努め、国、北海道庁、東北各県等との調整を行い、支援物資の輸送及び本県からの応援職員による避難所運営や罹災証明書交付関係事務の実施につなげたところです。
なお、避難所運営及び罹災証明書発行事務の応援職員については、県内市町村からの応援職員も含め、現在、第2班が活動中であり、第3班以降も10月上旬まで交代で派遣する準備を進めています。
今後も、派遣中のリエゾンを通じて現地の支援ニーズを把握し、また、北海道庁及び東北各県等とも調整を図りながら支援を行ってまいります。
次に、本県の防災対策についてでありますが、地域防災計画には、県、市町村、国の機関、自衛隊を初め、電気、ガス、上下水道、電気通信等のライフラインなどさまざまな公的機関の役割を明記し、災害発生時に必要となる災害応急対策等を行うこととしております。
北海道胆振東部地震の発災から約3週間が経過しておりますが、ライフライン等は復旧が進んでいるものの、現在もなお被災者支援を中心に対応が行われている段階にあり、今後の復旧の対応状況を見きわめながら、本県の地域防災計画の内容を精査し、防災、減災に向けた検討を進めていきたいと考えております。
〔政策地域部長白水伸英君登壇〕
〇政策地域部長(白水伸英君) 現総合計画の達成度等についてでございますが、現在の総合計画であるいわて県民計画におきましては、三つの重要な視点として、ゆたかさ、つながり、ひとを掲げ、また、みんなの基本目標をいっしょに育む希望郷いわてとし、仕事、暮らし、学び・こころの分野ごとに一人一人の姿や取り巻く地域社会の姿を描いたほか、計画の進行管理におきまして、政策評価に基づくマネジメントサイクルを重視したことなどが特徴として挙げられます。
現計画の成果についてでございますが、仕事につきましては、自動車や半導体関連産業を中心とした産業集積の進展や、正社員の有効求人倍率が7年連続で上昇していること、暮らしにつきましては、人口10万人当たりの病院勤務医師数の増加や、保育所整備、保育人材の確保、子供の貧困対策などの取り組みが進んでいること、また、学び・こころについては、平成23年の平泉と平成27年の橋野鉄鉱山の世界遺産登録の実現や、グローバル人材の育成等による海外とのネットワークの形成の広がりなどの成果を挙げ、次期総合計画につながる土台を築いたものと考えております。
次に、次期総合計画への幸福度の反映についてでございますが、次期総合計画では、基本目標に、お互いに幸福を守り育てる希望郷いわてを掲げ、これを実現するための政策の体系として、岩手の幸福に関する指標研究会報告書などを踏まえながら、10の政策分野を設定したところでございます。
また、政策の推進に当たりましては、県民がどの程度幸福を実感しているかといった状況を県民意識調査で詳細に把握しながら、アクションプランである政策プラン(仮称)におきまして、10の政策分野それぞれに幸福に関連する客観的な数値目標を掲げ、政策の効果を捉えていくこととしております。
このような考え方のもと、今般公表いたしました政策プラン(仮称)素案では、10の政策分野ごとに、岩手の幸福に関する指標研究会報告書の客観的指標例などを参考とした指標項目と、政策項目、具体的推進方策の柱立てを示した上で、政策項目ごとに、基本方向、現状と課題、県が取り組む具体的な推進方策、県以外の主体に期待される行動を盛り込んだところでございます。
次に、アクションプランについてでございますが、今般公表させていただきました政策プラン(仮称)素案では、10の政策分野ごとに、幸福に関連する客観的な指標の項目、また、10の政策分野ごとに設ける政策項目の基本方向、現状と課題、県が取り組む具体的な推進方策、県以外の主体に期待される行動をお示ししたところでございます。
今後、幸福に関連する客観的な数値目標、また、来年度の予算編成作業と並行して検討を進める県が取り組む具体的な推進方策ごとに示す工程表や数値目標につきましては、11月に公表する中間案に盛り込む予定でございます。
また、政策プラン(仮称)素案につきましては、パブリックコメントや県内11カ所で開催する地域説明会などを通じて県民の意見を伺うとともに、中間案公表後も、プラン全般について広く御意見を伺ってまいる所存でございます。
〔文化スポーツ部長菊池哲君登壇〕
〇文化スポーツ部長(菊池哲君) まず、東京2020オリンピック、パラリンピックに係るホストタウン及び事前キャンプの誘致状況についてでありますが、大きく4点についての御質問でありましたので、順次お答えいたします。
まず、ホストタウンや事前キャンプは、大会参加国、地域との人的、経済的、文化的な相互交流等を通じ、グローバル化の推進、地域の活性化、観光振興などに資することが期待されております。こうした取り組みに対しましては国からの財政支援が用意されており、市町村が財政支援を有効に活用しながら、国際化やユニバーサルデザインの推進など、それぞれの市町村が目指す目的の達成に向け、県も支援を行ってきているところであります。
ホストタウン登録状況は、盛岡市など4市町がホストタウンに、また、東日本大震災津波の復旧、復興において支援いただいた国、地域との交流を目的とする復興「ありがとう」ホストタウンには陸前高田市など8市町村が登録されるなど、計12市町村が登録されておりまして、都道府県別で見ると、全国トップクラスの登録状況となっております。
次に、事前キャンプの誘致状況につきましては、盛岡市でのカナダ代表水球チームや遠野市でのブラジル代表視覚障がい者サッカーチームなど、4市での事前キャンプが決定しているところであります。
次に、相手国からの要望につきましては、事前キャンプにおいて利用するスポーツ施設の室温や衛生面など、選手の体調維持に配慮した施設管理についてや、練習相手の確保などが求められているところであります。
次に、市町村からの要望等についてでございますが、まず、登録済みの市町村におきましては、選手と子供たちの交流イベントや大会報告会など、交流事業の計画策定に向けた助言や、事前キャンプ受け入れに向けた施設整備に係る支援が求められておりまして、また、登録を目指す市町村においては、相手国の窓口の紹介や交渉への同行等の支援が求められるなど、相手国との諸調整が支援として求められているところでございます。
県といたしましては、こうした要望等を受け、これまで、国や専門家等を招聘しての説明会や個別相談会を市町村等を対象に開催してきているほか、財政支援制度の活用や相手国との調整など、その取り組みを支援してきているところでありまして、今後も引き続きホストタウン交流事業や事前キャンプの実現、成功に向け、積極的に取り組んでまいります。
次に、ラグビーワールドカップの観客輸送などの受け入れ態勢整備の進捗状況についてでありますが、大会時にスタジアムに来場する1万6、000人の観客を円滑かつ確実に輸送するため、主要駅、空港などからのライナーバスの運行や、主要な道路沿いにパーク・アンド・ライド駐車場を設置してシャトルバスを運行するなどの交通輸送対策を講じることとしておりまして、現在、県内バス事業者からのバス車両の借り上げや駐車場の選定等を進めているところであります。
また、多くの観客の方々に県内に宿泊していただけるよう、県内宿泊、旅行業関係の事業者などで構成する交通輸送・宿泊専門部会を通じて、旅行商品造成や宿泊施設周辺を発着地とするライナーバス運行の検討を進めているほか、海外から訪れる観客の方々へのおもてなしが図られるよう、商工・観光事業者を初め広く一般市民をも対象とした外国人おもてなし研修の開催や、海外の方々にもわかりやすい案内表示の準備等を進めているところでございます。
今後は、交通輸送等の計画の具体化に加え、大会本番に向けて各種テストを重ねながら課題を解決していくことが重要であり、10月に実施する大会開催1年前イベントや、来年度、スタジアムの仮設スタンド完成後に実施する本番前のテストイベントを通じ、万全な受け入れ態勢整備が図られるよう取り組んでまいります。
〔農林水産部長上田幹也君登壇〕
〇農林水産部長(上田幹也君) 東京2020オリンピック、パラリンピックへの食材供給についてでありますが、現在、東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会において、大会における飲食提供等の業務を委託する事業者の選定作業を進めており、今月中には委託事業者が選定される予定であります。
また、内閣官房東京オリンピック・パラリンピック推進本部事務局では、現在、各都道府県に対し、GAP等の認証を得た農林水産物の大会への供給に関する意向調査を実施しているところであります。
飲食提供等の業務委託事業者は、今後、この意向調査により取りまとめられた農林水産物のリストをもとにメニューを作成し、組織委員会の承認を得て決定するものと聞いております。
調達する食材については委託事業者が決定するものでございますが、今月中には明らかとなる委託事業者の選定結果等を注視し、大会への県産農林水産物の供給に向けた取り組みを、関係機関、団体と連携しながら積極的に進めてまいります。
〔商工労働観光部長戸舘弘幸君登壇〕
〇商工労働観光部長(戸舘弘幸君) ラグビーワールドカップ開催に向けての観光物産面での取り組みについてでありますが、国内外から訪れる試合観戦者の本県への誘客と、宿泊、飲食、買い物、体験などによる観光消費の拡大を図ることが重要と認識しております。
このため、県では、地場産品を使った土産品の開発や食のブラッシュアップ、地域資源を生かした体験プログラムの造成などを支援してきたところでありまして、また、外国人旅行者の誘客拡大に向け、宿泊、観光施設における無料公衆無線LANや外国語表記等の整備への支援などによる受け入れ環境の充実を図ってきているところでございます。
このような取り組みによりまして、これまでに、ラグビーボール形のパイなどの土産品の開発や、サッパ船アドベンチャーズを初め12の観光ポイントにおける三陸ジオパークガイドツアーの造成、3年間で106施設に及ぶ外国人受け入れ環境の整備などが行われましたほか、県南地域におきまして生産者と飲食店が連携した食のフェアの継続的展開が予定されるなど、開催に向けた準備が進んできているところであります。引き続き情報発信やプロモーションを強化し、県内での観光消費を促進する取り組みを進めてまいります。
〔保健福祉部長八重樫幸治君登壇〕
〇保健福祉部長(八重樫幸治君) まず、医療介護連携システムの推進についてでありますが、県では、岩手県保健医療計画に基づき、被災地を中心とする地域におけるICTを活用した医療介護情報連携システムの整備を推進してきたところであり、沿岸4地域については平成25年度から順次運用が開始され、岩手中部地域においては平成29年度から運用が開始されています。
医療介護情報連携システムの導入が進むためには、医療機関や介護事業者等が、システムの運営主体のあり方やランニングコスト等の課題を共有し、情報連携の必要性について合意形成を図った上で、多くの関係機関が参加することが肝要ですが、地域の医療、介護資源の状況や人口規模などの条件が圏域ごとに大きく異なっており、システム連携に必要な情報や、その機能についても一律ではないところであります。
県としては、各地域において医療介護情報連携システムが将来にわたって持続可能なシステムとして構築されるよう、地域における協議の場に参画しながら、先行事例を紹介するほか、地域医療介護総合確保基金を活用したシステムの導入経費の補助を行うなど、各地域での取り組みを支援していきたいと考えています。
次に、岩手県自殺対策アクションプランの取り組みについてでありますが、県では、これまで、市町村や民間団体等と連携、協力し、ゲートキーパーの養成、傾聴サロンの設置、保健師等専門人材に対する研修、自死遺族支援などを行ういわゆる久慈モデルと言われる包括的な自殺対策プログラムの普及を図ってきたところであります。
加えて、官民一体となった総合的な自殺対策を推進するため、平成18年度に岩手県自殺対策推進協議会を設置するとともに、平成27年度には岩手県自殺予防宣言を決定し、9月の自殺防止月間において普及啓発事業を集中的に実施するなど、県民一人一人の意識醸成と参画を促してきました。
また、東日本大震災津波の影響への対策として、こころのケアセンターによる専門的な相談支援を行うとともに、市町村における戸別訪問やこころの健康相談、傾聴ボランティア等の人材養成などさまざまな取り組みを支援してきたところです。
現在、県では、平成31年度を初年度とする次期岩手県自殺対策アクションプランの策定を進めているところであり、引き続き包括的な自殺対策プログラム等を推進するとともに、地域の特性を踏まえ、ハイリスク者に応じた対策や相談支援体制の充実に重点的に取り組んでまいります。
〇20番(神崎浩之君) 今回の北海道胆振東部地震は朝3時すぎに発生し、そして8時発のフェリーで緊急消防援助隊を派遣したということは、岩手県の防災の歴史に残るすばらしい出来事なのではないかと思っています。県のホームページでもフェリーの活用、震災の関係が出ておりますので、これを機会にさまざまなチャネルで活用していただきたいと考えております。
一つ、北海道胆振東部地震対応の関係で、部長に伺いますけれども、今までの震災の教訓を生かしたということでありました。確かに今回の地震ではそうなのですが、私がことし7月の西日本豪雨で岡山県倉敷市の岡田小学校の支援に入ったときに、あるお母さんから、ベビーシートが流されたと。同じ体育館に住んでいらっしゃる近所の方々も、うちにもあるのだけれども、うちのものも流されちゃったということで、私はすぐ県庁に電話したのです。それで、東日本大震災津波のときはどうだったのと言ったら、わかりませんという回答だったのです。私はすぐ城内議員に電話して、どうだったのやと聞いたら、それは交通安全協会に電話すれば、そこで貸し出ししてくれるよという話を聞きまして、それを紹介してベビーシートを調達することができました。
そこで、総合防災室でのこういう対応はいいと思うのですが、各部局においては、担当者もかわりますし、当時の対応をした人間は今どこに異動しているかわからないのです。実際教訓を生かすということであれば、担当者の部署がかわっても、当時のさまざまなニーズにこういうふうに対応したよということを伝えるということも教訓を生かしたこととなるのではないかと思うのですが、その点についてお伺いいたします。
〇企画理事兼総務部長(佐藤博君) 確かに、今の議員からの御指摘は、もっともでございます。やはり総合防災室のみならず県庁各部局で、それぞれの対応力が求められるわけでございまして、まさに過去の経験をいかに引き継いでいくか、継承していくかというところは、本当に御指摘のとおりだと思います。異動があっても、そういった仕事の仕方、これはきちんとしっかり引き継がれていかなければならないと思いますので、今後もこういったところは、研修等も含めまして、しっかり継承されていくように取り組んでまいりたいと考えております。
〇20番(神崎浩之君) よろしくお願いいたします。経験がある岩手県に、全国から、こういう場合はどうやったのということをさまざま聞かれるかもしれませんが、そのときに、わからないという回答では-ほかにもいろいろありましたが、きょうは割愛いたします。
それから、知事に幸福に関することを2点お伺いしたいと思います。
目標はこうだけれども、でも、レベルが低くても自分は幸せなのだという解釈の仕方もあると思うのです。目標はこうだけれども、でも、こんなものでいいかなということがあって、私は、目標それからレベルというのが落ちるのではないかと、県民の意識としても、それから県職員の対応にしても、幸福を入れることによって目標が下がるのではないかという気もしているのですが、その点について知事はどうお考えでしょうか。
〇知事(達増拓也君) 県が具体的にやることについては10の政策項目に整理して、その中で、4年ごとのアクションプランにおいては数字の目標を設定していくことになりますので、その際に、決して安易にならないように、過去10年の成果を生かしながら、さらにこれをよくしていくように積極的に目標を設定して、そして施策を展開するようにしていくことが大事かなと思います。
〇20番(神崎浩之君) 幸福はいい切り口だと思うのですが、私は最初聞いたときに、ちょっとそういうところを心配しました。
それからもう一つ、前の知事はがんばらない宣言というのを出しました。私は聞いたときに、頑張ろうと思ったのだけれども、急にブレーキがかかったような気持ちがしたわけであります。
がんばらない宣言は、経済的利益、効率性のみを追求する考え方や、東京を中心とした画一的なものと、そういう価値観を転換し、見過ごされがちであった地域の自然や歴史、文化、産業、生活様式を再発見し、それを活用して取り組んでいく、地域に誇りの持てる真の豊かさを実感できる地域社会を創造していくということでがんばらない宣言というものが出されたのであります。これと今回の幸福というのは考え方が同じものなのかどうなのか、それについて知事の御所見をお伺いしたいと思います。
〇知事(達増拓也君) がんばらない宣言については、特に具体的に参考にはしていないところであります。
今の岩手が直面している課題の中で、経済産業面、さまざま、まだまだ頑張っていきたいところ、伸ばしていきたいところ、強みがあり、また、チャンスもあるところは発展させていかなければと思いますし、特に復興の経験に鑑みますと、応急仮設住宅団地から次の災害公営住宅に移った後の新しいコミュニティーをつくるということが課題になるといった従来の、例えばその地域の所得の向上とか企業の誘致といったこととはまた別のコミュニティーづくり支援のような新しい行政の取り組みも求められるような、そういったことが幸福を目標としたときに行政として気がつきやすくなるのではないか、既に県民の中にそういう県の施策を求めているさまざまな分野にさまざまなニーズがある、そういったところに県がきめ細かく気づいていくためには、幸福というキーワードを使うことが、県民の仕事や暮らし、また、学びの現場に寄り添う形を、よりつくりやすくなるのではないかと考えております。
〇20番(神崎浩之君) 幸福については、また別な機会に知事のお考えを聞きたいと思います。
ILCの関係についてですが、この日本学術会議のILC建設に関する影響力というのはどういうものなのか、お聞きしたいと思います。
〇企画理事(大平尚君) 日本学術会議に対して文部科学省が審議依頼しているわけでありますが、その審議依頼の文書の中では、政府判断に資するためにということを述べておりますので、文部科学省とすれば、学術会議にそういう期待をしていると。影響力ということで言えば、そのようなことかと思います。
〇20番(神崎浩之君) 1カ月ぐらいの間に5回も開催されたということで積極的な姿勢は見られるのですが、何しろ時間がないということなので、さまざまな機会を捉えて行動していただきたいと思っております。
それから、医療、福祉、介護の分野における連携システムでありますが、私が調べたら、東北では岩手県だけやっていないということでありました。これは国費で、10分の10で整備できるということなので、県は広域を調整するという役割もありますので、ぜひとも積極的に取り組んでいただきたい。10分の10で使えるお金でありますので、全県をつながなければ意味がないということでお願いしたいと思います。
次に、農業分野について質問してまいりたいと思います。
本県農業は、広大な県土のもと、多様な風土と豊かな資源を積極的に生かし、本県経済や地域振興、全国の食料供給基地としても大きく貢献してまいりました。しかし、高齢化、担い手不足、東日本大震災津波、原発事故からの復興、農家の所得向上、農業生産の拡大など、これまでにも増して大きな課題があります。また、猛暑、台風等により被害が出ております。
こうした中で、ことし7月の西日本豪雨で多くのため池が決壊して犠牲者が発生しました。また、下流の民家や道路に損害を与えました。国は、平成25年から3年間、都道府県の協力を得て全国一斉でため池の点検を実施し、さらにことしの西日本豪雨を受け、ため池対策検討チームを設置し、防災重点ため池を含む家屋や公共施設等への被害が懸念される農業用ため池の緊急点検をしたところであります。この点検では、本県は、実は東北で2番目にため池が多く、また、県内のため池の半分以上が一関市にあるとのことでありました。
最近の気象状況や台風シーズンを迎え、ため池の決壊が非常に心配でありますが、県は、農業用ため池の決壊を防止するためどのような対策をしているのか、お伺いいたします。
〇農林水産部長(上田幹也君) 本県の農業用ため池への対応でございますが、本県では、国の要請を受けまして、平成26年度から2カ年で1、899カ所のため池の現状を一斉点検いたしました。このうち、一定規模以上で、決壊時に下流の人家あるいは公共施設に影響を与えるおそれのあるため池43カ所を防災重点ため池に位置づけまして、耐震あるいは豪雨に対する診断を行ってきたところであります。
この防災重点ため池のうち、もう既に廃止が決定しているなどの3カ所を除いた40カ所につきまして、耐震診断等が今年度中に全て完了する見込みでございます。この結果に基づきまして、順次、対策工事に着手しているところでございます。
また、今般の西日本豪雨を受けまして、国からの要請もございまして、市町村やため池管理者と連携をいたしまして、家屋などに被害を与える可能性のある1、137カ所のため池について緊急点検を実施したところでございます。そのうち、応急措置が必要とされた4カ所につきましては、既に水位を低下させるなどの措置を講じております。さらに、現在、市町村等と恒久的な対応についてどうあるべきか、調整をしているところであります。
今後とも、ため池管理者と連携を図りながら、ため池の安全対策に万全を期してまいります。
〇20番(神崎浩之君) ため池は個人所有も多くて、もしもそういう耐震診断等にひっかかったら、非常に心配だという声が出ております。これに対する財政支援等はどうなっているのか、お伺いいたします。
〇農林水産部長(上田幹也君) 財政支援でございますけれども、さまざまな事業がございます中で、一番負担が少ないということになりますと、恐らくは災害復旧で対処するということでございますし、その他ため池の保守管理に関しましては補助制度等がございます。個別の状況によって対応する事業等が変わってまいりますので、御相談があった場合にはきちんと対応させていただきたいと考えております。
〇20番(神崎浩之君) 今後、耐震診断結果が出ると思いますので対応していただきたいと思います。
次に、放射性物質に汚染された農林業系副産物についてでありますが、いまだに牧草が91%、稲わらが33%、堆肥が36%、ほだ木が32%等の処理にとどまっているということであります。県は、こうした状況を踏まえ、今後、焼却処理等を含めて、どのように対応していくのか、お伺いいたします。
〇環境生活部長(大友宏司君) 放射性物質に汚染された農林業系副産物の処分対策についてでありますが、農林業系副産物については、現在生活ごみと混焼し、焼却灰の放射性物質濃度が高くならないようコントロールしながら、安全に処理が進められているところです。
本県の発生量5万8、000トン余に対し、5月末時点での処理量が3万2、000トン余で、進捗率は約56%となっており、処理は進んできているものの、全量処理までにはなお時間を要する状況となっております。
当該処理に当たっては、国の処理加速化事業を活用しておりますが、処理に複数年を要する市町村があることから、国に対し強く財政措置の継続を要望しているところです。
県としては、今後とも、必要に応じて住民説明会に職員を派遣するなど、地域住民の皆様の理解が得られ早期に処理が完了するよう関係市町村等と連携し、処理対策に取り組んでまいります。
〇20番(神崎浩之君) これは財政のことだけではないですね。地域の住民の理解が必要ということですので、積極的に県も足を運んでいただきたいと思います。
次に、米関係でありますが、県産米オリジナル品種銀河のしずく、金色の風を中心に、県産米を全国トップクラスのブランドにするためにさまざま活動されております。昨年の反省点、それから反省点を踏まえたことしの取り組みについて、さらに米の販売戦略についてもお伺いいたします。
〇農林水産部長(上田幹也君) 米の対策についてでございますが、県では、これまで、テレビCMやトップセールスなど、積極的なプロモーションを展開した結果、金色の風、銀河のしずくとも、米のヒット甲子園2017におきまして、全国195の銘柄のうち上位9銘柄に選出されたほか、お米マイスター等からも高い評価をいただいているところでございまして、ブランド化のプロモーションは功を奏したものと認識しております。
今後におきましても、全国の消費者の方々から高い信頼と評価をかち取ることが重要でございまして、このため、今年度は、新たないわてオリジナル品種ブランド化戦略に基づいて、タイムリーな産地情報の発信に加えまして、大手家電メーカーとの連携によるPR、あるいは生産者による米穀販売店への販売促進活動を展開しておりまして、引き続き、関係機関、団体が一丸となってオリジナル品種のブランドの確立に向けまして全力を挙げて取り組んでまいります。
〇20番(神崎浩之君) ことしの米の価格についてはどう捉えていらっしゃるのか。一般の米、それから金色の風、銀河のしずく等の米の価格についてはどういう傾向と今考えられているのか、お伺いいたします。
〇農林水産部長(上田幹也君) 米の価格についてでございますが、概算金についての新聞報道等があったところでございます。県産米全体については、去年よりも若干取引の価格が高く設定されておりまして、これは中食、外食を中心に、米の需要に応じた米生産が功を奏したものではないかと考えております。また、金色の風、銀河のしずくのツートップにつきましても、かなり高い評価をいただいておりますので、取引についても、相当の高価格で取引がされることを期待しております。
〇20番(神崎浩之君) 一方、備蓄米も多いという話も聞いておりますし、それから刈り取ってみなければどのくらいかわからないということもあります。
先日、知事も金色の風の刈り取りを行われたようであります。金色の風の生産者の方は非常に一生懸命で、本当に神経を使ってやっていらっしゃるということは知事も感じたと思います。
いろいろと神経を使ってやっているようでありますので、ぜひ県といたしましても、昨年の反省点を踏まえて対応していただきたいと思います。
次に、園芸品目でありますけれども、今、意欲的に取り組む若い担い手がふえているということであります。生産資材コストの圧縮や機械、施設投資の軽減が必要となっておりますが、各種助成措置などもさまざまな対応が必要であります。そうした中で、県では、いわて型野菜トップモデル産地創造事業を始めました。これは画期的なことでありますが、野菜、果樹、花卉の生産拡大に向けどのように対策を講じているのか、お伺いいたします。
また、野菜需要の約6割である加工用、業務用のタマネギ、キャベツ等の大玉生産の技術や、冬場の所得確保、生産拡大に向けてどういう対策をしているのか、あわせてお伺いいたします。
〇農林水産部長(上田幹也君) 園芸対策でございますが、県では、野菜、果樹、花卉の生産拡大に向けまして、野菜の自動潅水装置等の導入、あるいはハウスの団地的な整備、リンゴやリンドウ等の優良品種への新植、改植などに取り組んでいるところでございます。
また、近年、需要が拡大しておりますキャベツなどの加工用、業務用野菜についてでございますが、低コストで省力化生産が見込まれ、加工歩どまりが高い、そういった大玉の品種の絞り込み。
それから、播種から収穫までを一貫して行う機械化体系の普及拡大に取り組んでいるところでございます。
次に、冬期の対策でございますが、冬期の所得確保、生産拡大に向けましては、寒締めホウレンソウ、あるいは促成アスパラガスの産地化を図るとともに、収益性の高い菌床シイタケなどの品目導入を支援しているところであります。
今後、今年度から取り組んでおります、議員からも紹介もございましたいわて型野菜トップモデル産地創造事業によりまして、加工、業務用野菜の生産に必要な高性能機械、あるいは環境制御装置、技術の導入などを進めまして、新たな野菜販売額1億円産地を形成し、園芸産地力の一層の強化を図ってまいります。
〇20番(神崎浩之君) 野菜団地の整備に一緒に取り組んでまいりたいと思っております。
最後の項目でありますが、教育分野の課題についてお伺いいたします。
ことしの夏は、本県はもちろん全国的に猛暑でありまして、7月には、愛知県の小学1年生が、校外学習後に熱中症によって死亡するという痛ましい事故が発生いたしました。本県においても、高校野球を応援した女子生徒が熱中症で救急搬送されたり、教室が暑過ぎて勉強に集中できないという声も聞いており、屋外活動、部活動への対応や教室のエアコン設置による暑さ対策が必要ではないかと考えております。ことしの県内の教育現場における熱中症の状況や屋外活動への対応、それから教室等へのエアコンの設置状況について、どういうお考えであるのかお伺いいたします。
〇教育長(高橋嘉行君) 屋外活動、部活動等における暑さ対策についてでございます。
議員御案内のとおり、熱中症やその疑いのある事案が本県においても発生いたしましたが、幸いにも、適切な応急手当てや関係機関との連携によりまして、重篤な症状に至った事案はございませんでした。
県教育委員会におきましては、例年、5月中旬と7月中旬に、市町村教育委員会及び県立学校等に対し、熱中症事故防止に向けた指導、要請を行ってきたところですけれども、本年度は災害と言われるような猛暑が続き、また、他県において熱中症による死亡事故が発生したことも踏まえまして、再三にわたり通知を発出し、夏季の部活動における熱中症事故防止について注意喚起を行うとともに、その周知に努め、岩手県高等学校野球連盟等関係団体に対しましても、選手を初め、応援の生徒等に対する事故防止を要請したところでございます。
具体的に申し上げますと、屋外での部活動等においては、必要に応じて中止、延期等の柔軟な対応を図ること、それから適切な水分、塩分補給や休憩をとること、熱中症の疑いのある症状が見られた場合には、適切な応急手当ての実施をすること。また、屋内活動でも熱中症事故の発生のおそれがございますので、授業や文化部活動等においても、生徒の安全確保を徹底することを強く指導、要請してきたところでございます。
来年度以降におきましても猛暑の到来が懸念されますので、適切な時期を捉え、熱中症事故防止対策の周知や安全教育に関する研修等を通じて、熱中症事故防止の徹底に取り組んでまいります。
次に、教室等におけるエアコンの設置状況についてでございます。
昨年、本年と、これまでにないような猛暑に対し、保護者を含む学校側から、エアコン設置の充実に向けた強い要請があり、県教育委員会といたしましても、災害と言われるような猛暑への対策として、児童生徒の安全の確保や教育環境の改善という観点から、喫緊に取り組むべき課題であると認識いたしております。
県立学校におきましては、これまで、学校からの要望を踏まえ、保健室への設置を中心に整備に取り組み、高等学校では、夏季講習にも活用する教室等への整備を優先して進め、特別支援学校におきましては、本年度において、特に体温調節が難しい児童生徒が在籍する教室等への整備に重点的に取り組んだところでありますが、市町村立学校を含めた本県の全体的な整備状況は、寒冷地と言われる道県の中でも低い水準にございます。このような状況もあり、整備の充実に向けた強い要請がありますので、その具現化に向けて、現在の環境や利用頻度等も考慮しつつ具体的な検討を行っているところでございまして、必要な整備に早急に取り組んでいきたいと考えております。
また、市町村立学校の整備につきましても、国の財政支援措置である学校施設環境改善交付金の予算措置の充実を国に強く働きかけるとともに、当該交付金を活用した設備の充実に向け、市町村と連携して取り組んでいきたいと考えています。
〇20番(神崎浩之君) 我々の時代は暑いのは当然ということだったのですが、今は教育長がお話しのとおり、災害と呼ばれるという修飾語がつくような猛暑になっております。状況を見ながら対応していただきたいと思います。
次に、家庭教育支援条例の制定についてでありますが、今の時代と10年前、私がPTA会長をしていた時代とでは、大分教育現場、地域環境、家庭環境が変わってきたと感じております。核家族化の進行、地域社会のきずなの希薄化など、家庭をめぐる社会的変化が著しく、また、過保護、過干渉、放任など、家庭教育力の低下が強く指摘されております。
児童虐待件数は毎年1万件ずつ増加し、平成28年度は12万2、578件であり、行政からのより積極的な家庭教育への応援体制が必要であります。
平成18年に教育基本法が改正され、戦後初めて家庭教育が法律に規定されました。同法第10条は、父母その他の保護者は、子の教育について第一義的責任を有するものであって、生活のために必要な習慣を身に付けさせるとともに、自立心を育成し、心身の調和のとれた発達を図るよう努める。また、国及び地方公共団体は、家庭教育の自主性を尊重しつつ、保護者に対する学習の機会及び情報の提供その他の家庭教育を支援するために必要な施策を講ずるよう努めなければならないと規定しております。
私は、年々学力向上や生活指導、いじめ、不登校、DV、パワハラ等の課題を、全部学校現場に押しつけているような感じがしております。そんな状況でも教員はふえず、逆に学級減が進むことで、児童生徒が減少する割合以上に教員の数が減っている状況にあると思っております。
現代の子供を取り巻くさまざまな課題を解決するためには、第一に家庭教育の充実を図ることが重要であります。
静岡県教育委員会が実施した家庭教育実態調査の保護者の声を見ても、多くの親が抱えている小さな悩み、不安の深刻化を防ぐためにも、身近な地域の中で、身近な人による、親に寄り添う支援が求められております。今こそ、家庭教育支援条例を制定し、官民一体となって家庭の教育力を示すべきと思いますが、県の考えをお伺いいたします。
〇教育長(高橋嘉行君) 条例制定の意義につきましては、新たな条例の制定により、家庭教育の重要性をこれまで以上に高めていこうとするものであると存じますが、本県におきましては、教育基本法に加え、平成17年に議員提案により制定されたいわて教育の日に関する条例や、平成27年に制定されたいわての子どもを健やかに育む条例等に基づき、さまざまな家庭教育支援施策を展開しながら、その充実に取り組んできているところでございます。
具体的には、相談窓口の設置による子育ての悩みや不安への相談対応や、毎週配信をいたしておりますメールマガジンでのPTA関係者などへの情報提供を通じた保護者への支援とあわせ、子育てサポーターの養成やその活用にも取り組んできております。
議員御指摘のとおり、家庭の教育力の向上は、本県の教育の充実に当たり極めて重要でございますので、県におきましては、現在策定に取り組んでいる次期総合計画や教育振興計画において、家庭教育を支える環境づくりの推進を盛り込む方向といたしております。
いずれ、新たな条例の制定に当たっては、ただいま申し上げました本県の二つの条例との関係や他県の取り組み等も調査しながら総合的な検討が必要であると存じますので、その条例の制定については、今後の研究テーマとさせていただきたいと考えております。
〇20番(神崎浩之君) 岩手県では、家庭教育支援の在り方に関する提言ということも出ておりますが弱いです。誰が何をやるのか、そういうものが書いていない。ということで、例えばPTAにしても人はかわりますし、やる気はあるのですけれども、一過性でシステムもないということで、地域、企業、職場、行政、誰がやるのか、そういうものが非常に弱いと思っております。
静岡県では、家庭教育支援員を県で養成して、そして家庭教育支援チームを組織して、家庭教育講座を実施しているということであります。縦割りから横串を入れて対応するということですが、この件について教育長はどうお考えでしょうか。
〇教育長(高橋嘉行君) 今、静岡県の具体的な対策をお話しいただきました。条例の制定は全国で8県あるということでございますけれども、具体的に取り組んでいる施策につきましては、条例があるないにかかわらず、家庭教育は、議員からお話もございましたように、学校教育と家庭教育は教育の両輪だと思っておりまして、さまざまな施策を展開していくこと、支援を行っていくことが大事だと思います。他県の取り組み事例等も調査しつつ、ただいまいただいた御意見等も踏まえさせていただき、今後の支援施策を展開してまいりたいと考えております。
〇20番(神崎浩之君) 要望として終わります。
〇議長(佐々木順一君) 以上をもって神崎浩之君の一般質問を終わります。(拍手)



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